E系列は「等比」で値を刻む

抵抗やコンデンサの標準値は、IEC 60063 が定める E系列 に従っています。 E6・E12・E24・E48・E96・E192 とあり、数字は1ディケード(1桁の範囲、例 10〜100)の中の値の個数です。 値は等差ではなく 等比(対数的に等間隔) に並びます。公比は 10^(1/n) で、

  • E24:10^(1/24) ≈ 1.10(約10%刻み・許容差 ±5%
  • E96:10^(1/96) ≈ 1.024(約2.4%刻み・許容差 ±1%

許容差の範囲で、隣の値と隙間なく繋がって(全範囲をカバーできるように)刻み幅が決められている、という関係です。 だから「キリの良い数」ではなく一見半端な値(4.7k, 6.8k…)が並びます。

E24はE96の部分集合ではない

直感に反しますが、E24の一部の値はE96には存在しません。たとえば 2.7kΩ・3.3kΩ・4.3kΩ などは E24にありますが、E96の刻み(…2.74k, 3.32k, 4.32k…)には一致する値がありません。

このため、分圧比やゲインの「比の合わせやすさ」は必ずしもE96が上とは限りません。 狙った比に対して、E24の組み合わせのほうが公称値ではぴったり来ることがあります。 ただし許容差はE96(±1%)のほうが狭いので、「公称値の近さ」と「ばらつきの小ささ」は 分けて考える必要があります。

例:3.3V→5V 系の分圧で、E24なら 4.7k:9.1k のような組が比でうまく合うのに、 E96の標準値には同じ狙いの値が無い、というケースが起こり得ます。

実務での選び方

  • 精度が要るのは多くの場合「絶対値」より「」。分圧・ゲインは同系列・同ロットの2本を使うと 温度変化や経年劣化時の変動割合が揃いやすく、比が安定する。
  • 分圧の 合計抵抗(インピーダンス) は別途決める。高すぎるとノイズ・入力バイアス電流・リークの影響、 低すぎると消費電流が増える。
  • まず1本で近いE系列値を選び、どうしても合わない所だけ2本(並列・直列)にする。部品種類を増やさない。
  • 要求精度に対して過剰にE96/E192を使わない(コスト・在庫増)。±5%で足りる所はE24で十分。

まとめ

E系列は許容差と刻み幅が対になった合理的な決め方です。本サイトの抵抗分圧 計算ツール並列合成抵抗 計算ツールは、 E24/E96から目標に最も近いペアを誤差%付きで探すので、上記の「比 vs 許容差」「インピーダンス」を意識して選べます。