電解コンデンサ 寿命計算

定格寿命・カテゴリ上限温度・実使用温度・リプルによる自己発熱から、アルミ電解コンデンサの推定寿命を10℃2倍則で求めます。周囲温度別の一覧もあわせて表示します。

入力

時間
カテゴリ上限温度での保証寿命(例:105℃品で 2000 時間)。
室温ではなく、そのコンデンサが置かれる筐体内の温度を入れる。
リプル電流とESRによる素子自身の温度上昇。考慮しない場合は 0。

計算結果

14.61年(推定寿命・連続通電換算)
素子温度 Tx = Ta + ΔT45
推定寿命(計算値)128,000 時間
年換算(8,760 h/年)14.61
判定上限(15年)の範囲内

周囲温度別の推定寿命(ΔT = 5 ℃ を加算・Tx が T0 を超える条件は除外)

周囲温度 Ta素子温度 Tx推定寿命年換算
4045128,000 時間14.61 年
505564,000 時間7.306 年
606532,000 時間3.653 年
707516,000 時間1.826 年
80858,000 時間0.9132 年
85905,657 時間0.6458 年

年換算は24時間365日の連続通電(8,760 h/年)前提です。断続動作の場合は実稼働時間で按分してください。 本ツールはアルミ電解コンデンサ(液体電解質)向けです。導電性高分子・固体電解コンデンサは 加速係数が異なるため対象外です。

※計算結果は参考値です。実設計では必ずデータシートと適用規格でご確認ください。[免責事項]

計算上は寿命に余裕があるのにコンデンサが膨らむ・容量が抜ける場合は、かいろんで発熱・リプルの原因を診断できます。 かいろんで診断する →

計算式と根拠

アルミ電解コンデンサの寿命は、電解液が封口部からじわじわ蒸散していく速度でほぼ決まります。 この化学反応の速度は温度で決まるため、寿命の見積もりには温度10℃ごとに寿命が2倍になるという 経験則(アレニウス則・10℃2倍則)が使われます。式は 推定寿命 Lx = L0 × 2^((T0 − Tx)/10) で、L0 はカテゴリ上限温度での保証寿命 (例:105℃品で2,000時間)、T0 はカテゴリ上限温度、Tx は実際の素子温度です。

精度を左右するのは式そのものではなく、Tx に何を入れるかです。まず Tx は室温ではありません。 コンデンサが感じているのは筐体内の温度で、密閉筐体や近くの発熱部品の影響で外気より 10〜20℃高いことも珍しくありません。さらに平滑用途ではリプル電流と等価直列抵抗(ESR)による 自己発熱(P ≒ Irms² × ESR)が加わります。本ツールでは、この上昇分を ΔT として周囲温度に 加算する形(Tx = Ta + ΔT)で扱っています。ESR は温度と周波数で変わるうえ、 リプルの扱い方はメーカーによって異なり、ΔT を加算する式のほかにリプル電流比の補正項を 別に掛ける式もあります。実設計では採用するシリーズの技術資料に載っている式に従ってください。

出てきた答えをどこまで信じるかにも限界があります。低い温度を入れると計算上は数十年という 値になりますが、電解液の蒸散は温度以外の要因(封口ゴムの経年変化など)でも進むため、 多くのメーカーは推定寿命に上限(おおむね10〜15年程度)を設けており、それを超える部分は 保証の対象外です。本ツールでは 15 年を超える計算値に「15年以上(外挿・ メーカー保証範囲外)」と注記しています。上限の考え方もメーカーによって異なるため、 最終判断は技術資料で確認してください。

あわせて押さえておきたいのが「寿命」の定義です。ここでいう寿命は、ある日突然壊れる時点では なく、容量が初期値から規定以上に低下する、あるいは tanδ・ESR が規定の範囲を超える時点を 指します(判定値はメーカー・シリーズで異なります)。したがって寿命末期は故障ではなく 性能低下として現れ、容量抜けによるリプル電圧の増大、ESR 増加による発熱の悪化という順序で 症状が出ます。設計では、温度を安全側に見積もる・ΔT を無視しない・足りなければ上位温度品や 長寿命品に替える、あるいは実装場所を熱源から離す、という手順で余裕を確保します。