熱抵抗・ジャンクション温度 計算

損失電力・熱抵抗・周囲温度からジャンクション温度Tjを求め、Tj上限までの余裕と、必要な合成熱抵抗の目安を確認できます。

入力

W
℃/W
ジャンクション〜周囲(θja)。ヒートシンク込みの合成熱抵抗を入れてもよい。

計算結果

65℃(ジャンクション温度 Tj)
Tj = Ta + P·θ65
Tj上限までの余裕+60
判定Tj上限内(余裕あり)
必要な合成熱抵抗 θ の目安100 ℃/W 以下

※計算結果は参考値です。実設計では必ずデータシートと適用規格でご確認ください。[免責事項]

計算上は余裕があるのにDCDCが熱い場合は、かいろんで発熱原因を診断できます。 かいろんで診断する →

計算式と根拠

半導体の発熱は熱回路として扱えます。損失電力 P[W] が熱抵抗 θ[℃/W] を通って流れると、 オームの法則の類推で温度差が生じ、ジャンクション温度は Tj = Ta + P·θ となります (Ta は周囲温度)。ここで θ は熱の流れにくさで、ジャンクション〜周囲の合成熱抵抗 θja を 使えば周囲温度から直接 Tj を求められます。ヒートシンクを付ける場合は θja = θjc + θcs + θsa(接合部〜ケース〜接触〜放熱器〜空気)の合成値を入力します。

本ツールは Tj を求めたうえで、データシートの Tj 上限(実務ではディレーティングして 定格の 7〜8 割程度に下げることが多い)との余裕[℃]、ヒートシンク要否、そして 必要な合成熱抵抗の目安 θ ≦ (Tj上限 − Ta) / P を表示します。この θ目安より小さい 熱抵抗にできる放熱設計なら、上限内に収まります。

一般的な注意点として、θja はパッケージ単体の参考値で、実装基板の銅箔面積・サーマルビア・ 風速で大きく変わります。データシートの θja は規定の評価基板条件での値である点、 パルス駆動の場合は熱抵抗ではなく過渡熱インピーダンス(Zθ)で評価すべき点に注意してください。 周囲温度 Ta も筐体内のこもり温度を見込む必要があります。

試作後に実機で確かめる場合は、パッケージ上面の温度を使う方法があります。データシートに Ψjt が記載されていれば、上面温度 Tt から Tj ≒ Tt + P·Ψjt と推定できます。ケース温度 Tc は ケースと放熱器の界面を指すため直接の実測が難しいのに対し、上面は熱電対を当てやすく、 設計段階は θja で見積もり、試作後は上面温度で確認する、という進め方が取れます。 この点は関連記事「熱抵抗のディレーティング実務」でも扱っています。

なお、温度上昇 P·θ は P と θ の積なので、どちらのずれも同じ割合でそのまま効きます。 そのうえで実務上は、θ よりも損失電力 P の見積りのほうが外しやすい傾向があります。 スイッチング損失やダイオードの順方向損失を見落として導通損失だけで計算していないか、 先に点検しておくと手戻りが減ります。また θja は部品単体の評価値のため、発熱部品が近接して 実装されている場合は互いの熱で局所的な周囲温度が上がります。この分は Ta 側に見込んでおく必要があります。